「サポートインダストリーネットワーク研究会」(第3回)
議事録(要約)

1.日時:平成13年3月1日(木)19:00〜21:00

2.場所:(株)最上インクス

3.出席者(敬称略):
■企業(企業名50音順)
秋田 公司((株)秋田製作所 代表取締役)
吉田  隆(生田産機工業(株) 技術部次長)
衣川 隆文((株)衣川製作所 代表取締役)
寺田  理((株)キョークロ 代表取締役)
鈴木 三朗((株)最上インクス 代表取締役社長)
山本 昌作(山本精工(株) 常務取締役)

■事務局
森西 栄治((財)京都府中小企業振興公社 産業振興部情報課 課長)
山下 晃正(京都府産業推進課 課長)
岡本 圭司(京都府産業推進課 課長補佐)
井ノ本登司((株)システム ディ エンジニアリング部 部長)
塩口 剛巳((株)システム ディ エンジニアリング部)


 
 
 



4.内容:
1)全体の名称について
@検討結果
・正式名称   :「京都サポ−ティングインダストリーネットワーク」
・通称     :「京都試作ネット」(KYOTO SHISAKU NET)
・キャッチコピー:「〜部品加工から装置開発まで〜」

A検討経過
【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●正式名称を「京都サポ−ティングインダストリーネットワーク」、通称を「京都試作ネット」としてはどうか。
●(キャッチコピーを)「〜部品加工から装置開発まで〜」としてはどうか。

【山本 昌作(山本精工(株))】
●名称に「試作」を入れるのは分かりやすく、的も絞りやすい。

【山下 晃正(京都府商工部産業推進課)】
●広報の際には、頭に修飾キャッチで「早技!」を付け、「早技!京都試作ネット」をPRしていけばよい。


2)参加する各社の技術特徴の打ち出しについて
@検討結果
 ・生田産機工業(株):「大物のシャフト加工」
 ・(株)衣川製作所 :「焼き入れ物加工はおまかせ」
・山本精工(株)  :「アルミ超精密加工のドライブスルー」
・(株)最上インクス:「薄板金属加工のコンビニ」(試作から量産まで)
・(有)日双工業  :「3次元加工とデータサービスはおまかせ」
・(株)キョークロ :「表面処理の試作工場」
・川並鉄工(株)  :「大物の精密・微細・スピード加工」
・(株)秋田製作所 :未定(キーワードは「制御系、ネットワーク対応」)(試作装置開発)
・(株)富士精工  :「フレキシブルメカ制御システム」
・洲崎鋳工(株)  :未定

A検討経過
■生田産機工業(株) について
【吉田 隆(生田産機工業(株))】
●(別紙資料をもとに)当社にとって一番の“売り”は@試作にまつわる各種数値データの解析業務及び解析用アプリケーションソフトの開発。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●分かりやすい「B大物のシャフト加工」を“売り”にして、それ以外はメニューとして周辺に置けばどうか。客の立場に立ってメニューのジャンル分けを行ない、結果としていろいろな場所に同じ企業が出てきても構わない。


■(株)衣川製作所について
【衣川 隆文((株)衣川製作所)】
●当社の一番の特徴は「焼き入れ物加工はおまかせ」で、焼き入れ以外は自社で対応。また、半導体や電子部品の製造装置・検査装置の部品加工から組み立てまでを得意としている。

【山本 昌作(山本精工(株))】
●通常は加工後に焼き入れをするので、最後にもう一度仕上げが必要だが、焼き入れ後の硬い部分を削って仕上げる「焼き入れ物加工」は、歪みなどのトラブルがほとんど無く、納期も早い。この業界では割に評価が高く、インパクトもあると思う。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●ミスミ等に特注する場合との違いは何か。

【衣川 隆文((株)衣川製作所)】
●ミスミが得意なのは標準品。試作において、QCDではミスミには負けない。
●ただ、「高速マシニング加工(切削)→焼き入れ→研磨加工」で受注し、焼き入れ済材を加工するから儲けが出る。最初から「焼き入れ物加工」を謳うとその部分での利益が見込めない。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●客が一つ発注し、他の部分も一緒にとなった時に儲けを見出せばよい。嫌がってどこも引き受けないところを看板に掲げないといけない。


■山本精工(株) について
【山本 昌作(山本精工(株))】
●インパクトを与えるには「アルミの超精密加工」。実際に「超精密」が発注されれば非常に厳しいが、対応は可能。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●「アルミの超精密試作加工」をメニューとし、「とにかく見積りが早い」等のインパクトのあるキャッチフレーズで他社との違いを出せばよい。ネットワーク全体と各企業のキャッチフレーズがあり、その下にメニューが並ぶイメージ。

【山本 昌作(山本精工(株))】
●当社は「スピード」が“売り”であり、キャッチフレーズとして「アルミ加工のドライブスルー」はどうか。アルマイト加工は通常1〜2日かかるが、当社は1時間程度で対応可能であり、アルマイトに関してはドライブスルー的な感覚で十分いけると思う。
●アルミのエキスパートを目指しており、「アルミの表面処理」もメニューに含めたい。


■(株)最上インクスについて
【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●以前から「薄板金属加工のコンビニ」が“売り”と考えている。薄板金属加工の試作から量産まで。


■(有)日双工業について
【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●3次元CADを持たない客に的を絞った「2次元データの3次元モデリング」はどうか。
●当社は板物を扱っているので、逆に3次元データの2次元化に手間がかかっている。

【山本 昌作(山本精工(株))】
●3次元加工はCAD、CAMを持っていないと出来ず、データ作成にもそれなりのノウハウが必要で、機青連の中でも出来るところは少ない。「3三次元加工とデータサービス」のキャッチフレーズで広く売り出せばよい。
●3次元に関して恐ろしく進んでいる金型メーカーに対しては、このキャッチフレーズではインパクトがないが、一般部品加工の分野では、まだまだ3次元加工のニーズがたくさんある。ネットワークをきっかけづくりに利用し、ニーズのあるところに発信していけばよい。


■(株)キョークロについて
【寺田  理((株)キョークロ)】
●当社の得意分野はねじ等の「表面処理」。試作段階では表面処理の詳細が未定であることが多く、客の要求する性能に応じて提案を行なっている。現状はあくまでサービスで、売上に計上できていないが。
●イオンプレーティング(特殊な設備が必要であり、外注で対応)以外の表面処理であれば自社にて対応可能。また、ねじのめっき以外はほとんどの試作に対応しており、試作で売り出すのであれば、項目からねじを外してもらえばよい。
●中国に工場進出しており、中国の様々な情報や日系企業のニーズの吸い上げ等、市場開拓面で利用していただけるのでは。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●表面処理に関して、大量発注でないと引き受けてくれないところが多い中、「試作の表面処理」がメンバーにいることは、客にとって非常に助かると思うし、我々にとっても客にトータルな提案がしやすく、非常に強みとなる。

【山本 昌作(山本精工(株))】
●今まで自社だけでは考えられなかった技術の融合化の可能性が広がり、例えば「加工+表面処理」技術で客を満足させることも可能となる。
●「提案」の部分でもお金の取れる仕組みを考えればよい。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●「表面処理の実験工場」はどうか。

【山下 晃正(京都府商工部産業推進課)】
●「表面処理の試作工場」が分かりやすくてよい。


■川並鉄工(株) について
【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●「大物加工」だけでは抽象的すぎて何をやってくれるか分からない。

【寺田  理((株)キョークロ)】
●「大物の試作加工、微細加工」の二つを謳えばどうか。

【山本 昌作(山本精工(株))】
●大物加工メーカーは納期の遅いことが多いので、「スピード」も“売り”にすればインパクトがある。

【衣川 隆文((株)衣川製作所)】
●大物はラフなイメージがあるので、「大物の精密加工」はどうか。

【寺田  理((株)キョークロ)】
●全国の職人ネットワークを構築し、そこに仕事を集めるビジネスをやりたいとも言っていた。

【山下 晃正(京都府商工部産業推進課)】
●焦点がぼけるので、その実現には、また別のネットワークを考えるべき。


■(株)秋田製作所について
【秋田 公司((株)秋田製作所)】
●「精密板金」はどうか。

【山本 昌作(山本精工(株))】
●それだけではちょっとインパクトが弱い。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●ネットワーク全体を「部品加工から装置開発まで」と謳っており、秋田製作所は「装置開発」の部分を担えばどうか。キャッチフレーズは「制御系、ネットワーク対応」をキーワードに。

【秋田 公司((株)秋田製作所)】
●「装置開発」がいい。ただ、客の仕様が多種多様で、見積り確定にもかなり時間がかかる中、「スピード」を謳うのは困難。
●キャッチフレーズについてはもう一度自社にて検討する。保留にしておいてほしい。


■(株)富士精工について
【秋田 公司((株)秋田製作所)】
●「試作装置開発」では当社の“売り”と重なる。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●「ネットワーク系」(秋田製作所)と「メカ系」(富士精工)で売り出せば特色が出るのではないか。また、めっき業界向けなど、対象を絞り込めばよい。

【寺田  理((株)キョークロ)】
●何にでも対応する「フレキシブルメカ」を“売り”にしていけばどうか。

【山下 晃正(京都府商工部産業推進課)】
●「フレキシブルメカ制御技術・システム」。

【山本 昌作(山本精工(株))】
●「高速」「耐久性」等も“売り”にする必要がある。


■洲崎鋳工(株) について
【山下 晃正(京都府商工部産業推進課)】
●「鋳物」をキーワードに、早急に“売り”を出してもらえばよい。

 

 

 

【3)今後の進め方等について
【森西 栄治((財)京都府中小企業振興公社)】
●次回以降、スピーディーに回答を返していく仕掛け等、実現に向けての仕組みづくりを検討したい。

【秋田 公司((株)秋田製作所)】
●メンバーのレベルがある程度揃うまでは、当面公社に窓口をお願いしたい。

【森西 栄治((財)京都府中小企業振興公社)】
●メンバーに客への素早いレスポンスを促す等は可能だが、窓口を受け持つことは無理。

【寺田  理((株)キョークロ)】
●お目付け役としての役割は担ってもらった方がよい。

【山本 昌作(山本精工(株))】
●我々と客とのやり取りの中で生まれる“バグ”を拾い出すことも重要であり、第三者的な立場から客の満足度を伺う等、客へのアフター・フォローの役割を担っていただくとよい。

【山下 晃正(京都府商工部産業推進課)】
●イメージ図と簡単なフロー図、各社のキャッチフレーズとメニューを持って、企業が各々の取引先に聞いていただき、面白いという意見が多ければ次のステップに進めばよい。
 

 

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