「サポートインダストリーネットワーク研究会」(第2回)
議事録(要約)
 

1.日時:平成13年2月19日(月)18:50〜21:00
2.場所:(株)秋田製作所
3.出席者(敬称略):


■ゲスト
浜野 義光((財)京都府中小企業振興公社 ビジネス・スーパーバイザー)
坂本 悦二((財)京都府中小企業振興公社 新事業支援部 次長)

■企業(企業名50音順)
秋田 公司((株)秋田製作所 代表取締役)
秋田敬三郎((株)秋田製作所 取締役 営業部長 加工技術センタ所長)
生田 泰宏(生田産機工業(株) 代表取締役社長)
吉田  隆(生田産機工業(株) 技術部次長)
川並 宏造(川並鉄工(株) 代表取締役)
衣川 隆文((株)衣川製作所 代表取締役)
鈴木 三朗((株)最上インクス 代表取締役社長)
西田 栄一((有)日双工業 代表取締役)
松岡 俊秀((株)富士精工 代表取締役)

■事務局
森西 栄治((財)京都府中小企業振興公社 産業振興部情報課 課長)
山下 晃正(京都府産業推進課 課長)
岡本 圭司(京都府産業推進課 課長補佐)
山本 利子((株)システム ディ エンジニアリング部)
塩口 剛巳((株)システム ディ エンジニアリング部)


 
 



4.内容:
1)大手メーカーの開発・試作について
〜浜野義光氏(京セラ(株)元専務取締役)による京セラのセラミック技術、歴史等についての解説〜

2)ネットワークについての意見交換
【秋田 公司((株)秋田製作所)】
●我々の中で自社の強みを一言で表現できる企業としては、最上インクスと山本精工が群を抜いており、ネットワーク経由で仕事が入ってきた時にも対応できる仕組みをしっかりと持っている。取り敢えず2社に先行してもらってはどうか。
●どのような角度から注文があるかは分からず、また2社だけでは厚みと深さに欠けるので、周辺で我々のカバーできる部分があれば、乗っていけば良い。

【生田 泰宏(生田産機工業(株))】
●メニューを「アルミの超精密加工」と「精密板金加工」に絞り込み、ピンポイントの顧客をターゲットにした仕組みになると、我々を含めた他社への広がりが期待できるのか疑問。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●総花的にやるのはまずいが、購入側のニーズを探り、ニーズに乗るところを組み込んでいけばどうか。

【秋田 公司((株)秋田製作所)】
●例えば、当社ではソフトやエンジニアリング関連の見積りを半日で返す等への対応が課題となるが、皆がきっちりしたフォームを整えるのを待っていてはなかなか実現しない。

【森西 栄治((財)京都府中小企業振興公社)】
●走り出す前に、信頼を裏切らないものにしておく必要がある。信頼を得ることにより、情報も集まってくるだろう。情報が集まれば広がりも出てくると期待している。

【生田 泰宏(生田産機工業(株))】
●最初のスタートはピンポイントの方が開発側の客もとっつきやすいか。まずは山本精工の「アルミの超精密加工」と最上インクスの「精密板金加工」等に特化した部分で成功事例を導き出し、顧客からの要望に応じて徐々に周辺が関わっていく形でよい。

【衣川 隆文((株)衣川製作所)】
●その2つに「エンジニアリング」を入れて、メニューを3つにしてはどうか。

【秋田 公司((株)秋田製作所)】
●メニューの決定に関しては、各社が何を“売り”にしてネットワークに入りたいのかをきちんと出した上で議論する必要がある。

【山下 晃正(京都府産業推進課)】
●京都府の持つイメージもほぼ同様であり、機械金属を中心に中小企業のノウハウを生かしたソリューションビジネスを提案するイメージ。例えば「組み立て」や「部品加工」のサイトがあっても良く、様々な打ち出し方があると思う。
●今のメンバーの中では2社の成功する可能性が比較的高いと思われているが、2社に決め込んでいるわけではない。この2ヶ月間に色々なところに意見を訊いて、ニーズがあればメニューを増やす必要があるだろう。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●我々は顧客を広げるツールとして本ネットワークを活用したい。その時にどういう方法が一番良いかは、売る側の知恵だけでなく、買う側の色々な意見も反映させていかなければいけない。
●但し、完全に出来上がるまで待っていては、恐らく結局何もつかめない。ある程度ヒアリングを行なって検討した後は見切り発車する必要がある。
●「試作」に絞る場合は、各社が「試作で絶対に受けられる」と思う部分を挙げれば良い。
●他の二番煎じにはなりたくないので、何らかの特色が必要。

【秋田 公司((株)秋田製作所)】
●「開発試作」を共通のキーワードに、各社が関われる部分を挙げれば良い。

【生田 泰宏(生田産機工業(株))】
●京都府が最近取り組んでいる「ケータイ産業文化研究会」と本ネットワークとのつながりも考えているのか。


 

 

 

【山下 晃正(京都府産業推進課)】
●考えている。「ケータイ産業文化研究会」では、携帯電話だけでなく、例えば訪問看護用モバイル等、非常に専門性の高い携帯端末も含め、携帯端末の「ものづくり」に関して京都が一番になるイメージを描いている。
●京都には優れた技術を持つ企業が多いが、口で言うだけではアピール度が弱い。やる気と技術を持つ京都の中小企業がチームを組み、ソリューションを前面に押し出してアピールし、ビジネスチャンスをつかんでもらいたい。
●信用のあるサイトにBtoBの仕組みを用意し、空中戦ではなく、ビジネスを確実に京都に落としていける仕組みをつくりたい。
●チームがいくつも出来るのが我々の理想だが、同時に立ち上がってもこちらの手が回らないので、時間差でまずは一つでも前に出てもらいたいと思っている。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●当社も山本精工も、薄板金属加工1本、アルミ切削1本では最早だめだという危機感を持っており、早い段階で、「ポンと投げてもらえば全部まとめて受けます」というものを作らないといけない。それは一社では対応できず、皆で力を合わせてやりたい。
●当社は「一個から注文を受ける」「他社よりも早く仕上げる」等、売り方が他社と違うだけ。その切り口で見れば、恐らく皆にも“売り”があると思う。
●また、「試作」の看板を掲げたことによって当社は「試作屋」と思われているが、実際は試作よりも量産の売上の方が多い。他社においても、ある部分だけ掲げればネットワークでも展開可能なところがあるはず。
●キャパが一社では間に合わない時に仲間内で対応できる層の厚さも、ビジネスにとっては大事であり、当地域にものづくり企業が集積しているのは非常にメリットのあること。

【松岡 俊秀((株)富士精工)】
●最初にいいエサを放り込んでどんな魚(客)が寄ってくるかを見せてもらい、その後に我々が別のエサも放り込んでも構わないと思う。我々には参画のための準備期間が必要なので、先行してもらって時間を少し稼いでもらうのが良い。

【秋田 公司((株)秋田製作所)】
●当社も危機感を持っており、そのためのマーケットリサーチの勉強をネットでやるだけの話。当面は2社に先を走ってもらい、どんどん講演し、マスコミに出て、宣伝してもらえば良い。
●次回までに、皆が「これで関わりたい」という希望を書いてくること。一度皆が関われる部分を出した上でメニューを決めていけば良い。

【森西 栄治((財)京都府中小企業振興公社)】
●システムを先にこしらえないといけないわけではない。売り出すものが固まればどんどん前に出していって、それを機能させるために必要な仕組みを後で作っていく。進めていく中で必要に応じてコンピュータ、ネットワーク、携帯電話等を使っていけば良い。

【西田 栄一((有)日双工業)】
●1歩目にはやはり一番実利のあるところを出す方が良い。また、こちら側で完璧に揃えていっても、顧客に「必要ない」と言われれば終わりであり、ニーズが出てきた後で足し算していくのが望ましい。

【森西 栄治((財)京都府中小企業振興公社)】
●各社が何を“売り”にして関わるかを次回までに挙げて欲しい。売込のキャッチフレーズやセールスポイントについては、次回各社の“売り”が出された上で検討する。

【秋田 公司((株)秋田製作所)】
●途中で「関わりたいもの」が変更していっても構わないこととしたい。

【浜野 義光((財)京都府中小企業振興公社 スパーバイザー)】
● 今後はグループのリーダーシップの取り方が課題となるだろう。

【川並 宏造(川並鉄工(株))
●皆が同じレベルで動くのではなく、このプロジェクトには仮想の社長を据え、社長が言ったことには我々が社員として動く仕組みがないといけない。
●この事業では、顧客に対して様々な媒体を用いてアプローチする事例を作ってもらいたい。そのような情報を我々は求めている。

【山下 晃正(京都府産業推進課)】
●様々な人に訊くと、やはり「試作」が一番ビビッド。「試作」を最大のキーワードとして考えていただくのが一つ。
●KRPの英語版ホームページ内の海外企業誘致PRで、今井賢一先生等の推薦文を散りばめたところ、実際に人が集まってきた。幸い京都にたくさんおられる技術系の先生方をブレーンに迎える態勢づくりも“売り”の一つになるかもしれない。もう少し固まってきた時に、関連分野の大学の先生数人にボードメンバーとして入ってもらうのも一つの手。

【鈴木 三朗((株)最上インクス)】
●アメリカへのビジネス展開に向けてはペナルティ等で非常に不安がある。公の窓口が最初だけでも協力してくれるとありがたい。

【山下 晃正(京都府産業推進課)】
●公的機関では、単発的な対応になる可能性がある。今井先生等を通じて試作に興味を持っている向こうの企業家とパートナーを組むなど、アメリカ常駐でマーケットの面倒を見てくれる人を見つける方が適切では。



 

 

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