未来企業の会7月例会

 

2.明日のための投資について  各社は何に取組んでいるのか?
・(株)キョークロの場合
 3名の研究開発スタッフを配置し、年間、売上の2.5%程度を研究開発に投資しており、めっき及び塗装技術の研究開発を行っている。
 新規顧客開拓には、新しい技術(メニュー)をもって営業が出かけて行く。既存のメニューでは話も聴いてもらえない。
 
・(株)秋田製作所の場合
 研究開発に4人のスタッフを当てている。売上の15〜20%相当の研究開発費を使っており、研究開発型企業と言える。
 新しい製品(技術)がきっかけになって、新規顧客に注目されて、新規取引の糸口が見つかるケースが多い。実際には、新技術ではなく、既存技術の受注につながっており、営業を大いに助けている。
 大学の研究室との共同研究も具体的な成果物が出てきており、今後の展開が非常に楽しみである。
 既存の製品(技術)による営業活動では全く縁のなかった業界や企業と接点をもつには、やはり他所になりキラリと光る技術を一つで持っていることが重要だと分かった。
 大学の研究室や大企業では、中小企業では真似のできない先端的な技術開発を行っているが、それぞれの専門化が進んでおり、大局的なものの見方ができなくなっていることから、それらをコーディネイトすることで新しい製品が生まれる可能性が大きい。(すでにあるものの組み合わせ方が重要)
 それぞれがもつデータを整理して、体系的にデータベースとして残すことができれば、重要な情報となり、新たな製品が生まれる可能性をもっている。
 情報力が企業の力であり、企業の規模は関係ない。
・山本精工(株)の場合
 アルマイト処理に関する研究開発を進めている。大学の先生に指導を受けるが、表面処理の専門家は、化学に強いが情報処理には疎い部分があり、中小企業であっても、さまざまな条件のデータを情報管理することで、新たな表面処理技術の開発が可能となる。
 データをデジタルで残すことの重要性が見えてきた。研究開発は下請加工に比べて、知的作業であり、非常におもしろい。
・胡粉(顔料)の老舗(中川胡粉)の例
 鉱物の粉の粒をそろえることによって、さまざまな種類の顔料の製造が可能となるらいしいが、この粒のそろえ方について、データベースを構築することにより、開発力を高めている。
 情報処理能力が開発力につながっている。
・(株)富士精工の場合
 面状発熱帯を使った応用技術開発を行っているが、研究開発費としては、どれだけになっているかはよく分からない。赤字になった分が研究開発費か?
 当社も面状発熱帯などの営業を通じて、下請取引では接触することのなかった部門との新しい関係が生まれつつある。
・(株)最上インクスの場合
 簡易金型の研究開発に力をいれている。現在、今までと全く違った発想の金型を開発中である。(板で板を抜く型?)
・その他意見交換
 大企業でも新しい製品・技術開発が難しくなってきている。研究開発に対する熱意が問題なのかもしれない。
 大企業では、@小回りが利かない A利益は読めずに、決断できない B結論を急ぐ Cマルチ人間がいない 等々の理由により、新規開発が進まないのではないか。
 熱意と情報力を持てば、中小企業が新製品・技術を開発するチャンスである。
 中小企業がコーディネーターとしての役割が果たせるのではないかと思われる。
3.その他 ・次回の開催予定
 日時:平成11年8月18日(水)午後4時〜6時
 場所:(株)京都シャーリング工場(本社工場) 南区久世
<例会終了後、午後6時30分からキリンビヤパークにおいて、納涼パーティを開催予定>

 

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