未来企業の会4月例会

平成11年4月21日(水)18:30〜22:00

fujiseiko_2_s.JPG (52879 バイト)

 

2 イノベーションの機会について     富士精工も社会環境の変化に合わせて、大きくイノベーションを実行している。
・ イノベーションを続けるには・・・・  元は精密、複雑な家電製品(ビデオカメラシャーシ等)のマシニングセンター等による試作加工を主な事業としていたが、現在は、ユーザーとの共同開発による製造設備機器の製造を手掛けている。     
・ イノベーションに必要な力は・・・・
 ユーザーが求める仕様を如何に形にできるかを目指し、設計を含む総合力を培ってきたことが、現在の業態を実現できたと言える。
 開発に関わるには、長期間に亘る仕掛かり期間を耐える財務的な体力を付ける必要もある。
 社員が楽しめて、生き甲斐を感じられる事業を目指さなければ、事業の革新が進まない。
 たまたま成功しているように見えるケースも、イノベーションの機会は、常に情報発信をしていることが、新たな顧客につながっている。
 全てに精通した営業の人材を育成するのは、現場を一通り経験させることしかない。(約10年を要した。)
 若い人でも、積極的に仕事を経験させることにより、育ってくるものである。しかし、一般的な中小企業の場合、社長が社員に仕事をさせていない。作業をさせて、仕事をさせていない。
 仕事を任せて、やらせることにより、新たな事業を創出を期待することも可能となる。
マーケティング的思考の必要性  ソリュージョン(問題解決)を中心に考えると、顧客は従来のメーカー等だけではなく、同業者にも顧客が創造されてくる。(モノの加工ではなく、サービス提供としての見方に主眼を置くと、新たな顧客が見えてくる)
 このような考え方から仲間の連携による新たな事業の創出も可能となるのではないか。
 固定観念を棄てて、大きな目で見ると、問題解決で新たなユーザーを見出すことも可能である。
 問題の所在を明らかにする作業ができるかが重要であり、現状を肯定した値段を安くするためだけの問題解決ではない。
 
 新たなビジネスチャンスを捉えるのは、たまたまではなく、平素の情報発信活動が結果を生んでいる。(この情報発信を企業として体系的に行えることが重要なマーケティング活動と言える)
 グローバルに情報化した市場では、透明さ、公平さが力をもつ時代になってきている。
 己は何者かを明確にしないと市場に応えられない。
 ボーダレスの中で、自社の役割が何かを真剣に考えなけらばならない。
 市場が新たなパートナーを求めている。
 機械加工や仕事であった角挽きは材料屋の仕事になった。そのような中で、自社がやることは何かを考えなければならない。
 本物を作れるプロに徹した企業にならなければ、ごまかしは利かない。
未来企業の会としての今後の課題  各社の「事業の定義」を検証し、どのように活かしていけるのか。
<発言要旨>  リスクを負わずに、新たなものを創造することは出来ない。(下請はリスクを負わずに来た。)
 会として、一定のリスクを負担して、新たな仕組みづくりを模索してみる。
 改良ではだめ、ステージを変えなければならない。
 他力本願で待っていても仕事はでて来ない。
 自らが方向性を持つ必要がある。自分が何をやろうとしているのかをしっかり見つめる必要がある。
 事業の目的をどう考えるかで、何をするかが大きく変わってくる。
 各社が得たことを行動に移さなければ変わらない。
 
 機青連のつながりを新たな事業にどのように行かせるのか。どのような仕組みがでくるのかも考えてみたい。
 
 行政の支援として、資金力がなく、ビジネスチャンスを逸する中小企業に対し、無形物にも信用供与を望む。
 (せっかくの大きな仕事は、運転資金不足のため、受注に踏み切れないケースが多い)
 事業を定義し、自らが何を目指し、何が出来るのかを常に問い続けることが重要であり、他力本願で新たな事業が見つかることはない。
 ピータードラッカーによると事業を定義すると言う作業は、「嘘かと思われるほど単純にみえる。そのような明瞭かつ一貫性のある有効な事業の定義にたどりつくには、時間をかけた作業と、思考と、思考錯誤を必要とする。だが、組織が成功するには、必ずこの事業の定義を行わなければならない。」と言われている。
 要するに、事業の定義は一朝一夕には出きるものではなく、常日頃から考えつづけなければならいと言うことである。
  
 本会では、事業の定義について、真摯に考え続け具体的な作業を実践しつつ、新たなビジネスを創出する仕組みについても一定の資金負担を前提に検討することとしたい。

BACK